外来診療、訪問診療、デイケア
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もの忘れ外来

もの忘れ外来について

我が国は高齢化が進み、65歳以上の高齢者数が大変な勢いで増加しています。それに伴い、認知症と診断され方々も大変多くなっています。
厚生労働省の報告では、65歳の4人に1人が認知症(または軽度認知障害【MCI】)と診断が可能といわれています。それを踏まえますと、認知症は早期診断がとても重要となります。なぜなら、お薬によって進行を遅らせる可能性があり、健康に過ごせる時間を長くすることができますし、鑑別診断を行うことによって、認知症と同じような症状がある他の疾患と判明した場合(甲状腺機能障害、ビタミン欠乏症、脳腫瘍、うつ病、ほか)治療できる可能性があるからです。
そこで、当診療所では、横浜18区の中でも高齢化が最上位レベルに位置付けられる金沢区の一員として、専門外来としての「もの忘れ外来」を行っています。
未診断の方も他の医療機関で診断済の方も遠慮なくご相談ください。

診療医について

大学病院より、精神科・心療内科・脳神経内科の医師を招聘し、診療所長と共にお互いの診療科の特色や得意分野を生かし、協力しながら診断・治療をして参ります。

もの忘れ外来における診断と治療の流れ

① 問診による病歴聴取
主にこれまでの経過をお伺いします。一般に、日常生活に支障を来すような段階に至るまで年単位の経過であることが多いため、過去に遡って経過を聴取します。ご家族またはご本人の事を良く知っていらっしゃる方からお話を伺います。
この段階で認知症に類似した症状がある精神疾患(うつ病、アルコール依存症、せん妄など)を除外します。
② 認知機能スクリーニング検査
長谷川式簡易知能検査(HDS-R)、または、MMSEによる検査を施行します。両者共に、簡単な質問にお答え頂き結果を点数化します。いずれも30点満点です。定型的検査に加えて、補助的な質問(簡単な指示、ことわざの意味、作画など)も適宜加えてアレンジしています。
点数の高低だけでなく、答え方や、検査に対する協力姿勢の有無、どの項目の質問がうまく答えられないのかをみています。
③ 血液検査
必要であれば、甲状腺疾患、肝障害、腎障害、梅毒などの感染症、ビタミン欠乏症、など、認知症と類似の症状が出現する疾患がないか確認します。
必要に応じて薬物治療を開始
ここまでは当診療所で行います
以下は協力医療機関で行います
④ 画像検査(形態画像検査)
頭部のCTスキャン MRIなどを施行します。主な目的は以下の通りです。
  • 脳萎縮(縮み具合)の程度を観察すること
  • 脳萎縮の部位を把握・特定すること
  • 脳出血、硬膜下血腫、脳梗塞などの確認
  • 脳腫瘍など占拠性病変の確認
  • 正常圧水頭症の有無を確認
病態によっては治療によって劇的に改善するものがあります。MRI検査の結果で 脳萎縮の程度が肉眼的に問題なさそうでも、健常人との比較によるコンピューター解析(VSRAD)で特定の場所の萎縮が明らかとなり、診断ができることもあります。
⑤ 画像検査(機能画像検査)
SPECT、PETなどにより、脳血流の低下や糖代謝低下(脳細胞栄養を活用できていな い脳細胞の状態)の場所や程度を検査します。
④の形態画像機能で全く問題がないのに、症状が進行している場合などでは、特定の部位で明らかに異常が観察されることがあります。
⑥ その他の検査
脳波検査、MIBG心筋シンチグラフィー、DAT SCANなど
補足的な診断として行います。
⑦ 必要に応じて薬物治療を開始または、経過観察

認知症の種類

全体の半分以上がアルツハイマー型認知症です。次いで、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、その他の認知症、と続きます。

主な症状

大きく、中核症状と周辺症状の2つに分類することができます。
中核症状
  • すぐ前の事をすっかり忘れてしまう
  • 同じ事を何度も繰り返して言う
  • 置いた物の場所がわからなくなり、いつも探している
  • 日付や時間について正確に言えない
  • 季節に合わない服装をしてしまう
  • 薬や金銭の管理が上手くできなくなった
  • 火にかけた鍋をよく焦がしてしまう
  • 普段使用しているもの
    (洗濯機、TVのリモコンなど)が使えない
  • 同じものばかり購入してしまう
  • 外出先で自分がどこにいるのかわからなくなる
    など
中核症状
周辺症状
  • 全体的に活気がなく、意欲が低下している
  • 些細な事でイライラしたり、怒りっぽい
  • 介護(入浴、更衣など)を嫌がり、抵抗する
  • 大きな声や奇声をはっしたり、暴力をふるう
  • 「物を盗まれた」と周囲の人間を疑う
  • いないはずの人が見えたり、声が聞こえたりする
  • 食物以外の物を口に運んでしまう
  • 徘徊(無目的に歩き回り、動き回る)がある
  • 昼夜が逆転して、夜間眠らず過ごしてしまう
    など
周辺症状

症状に対する治療

中核症状に対する治療
認知症の進行を抑えることを目的として使用します。認知症が完治する訳ではありませんのでご注意下さい。2014年現在で、我が国には4種類の抗認知症薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン)があります。治療薬の効果は図1の様なものと考えられます。
( 図1 )
抗認知症薬は少量から副作用に注意・観察しながら段階的に増量していきます。1ヶ月〜半年程度かかります。ただ、必ずしも最大量まで増量するとは限りません。また、認知症の進行の程度によって使用する薬剤が異なります。
周辺症状に対する治療
上手く薬剤選択すれば、穏やかで心配の少ない暮らしができるようになります。症状の種類によって使用する薬剤は異なります。不眠ならば睡眠薬、興奮が強い場合は安定剤、意欲低下が顕著であれば抗うつ薬などを使用します。
その他、漢方薬、抗てんかん薬、抗精神病薬などが適宜使用されます。 ただし、認知症は高齢者が多いため、肝臓の機能が低下しており、他の薬(高血圧の薬、骨粗鬆症の薬、コレステロールの薬など)を服用していることも多いので、できる限り体に負担の少ない薬を選択し、少量の使用にとどめるように工夫をしていきます。

認知症無料相談について

当院では認知症の無料相談を行っております。

外来診療から訪問診療へ

樹診療所では継ぎ目の無い診療対応が可能です。
当診療所では、ご本人の介護度が増した、ご家族の事情で負担が大きくなった、など様々な理由で通院の継続が困難になった場合、一定の基準を満たせば訪問診療に切り替える事ができます。当診療所通院中の方はもちろん、他の医療機関に通院中の方でもお受け致します。医療福祉相談室まで随時ご相談下さい。

認知症に係る診断書提出命令制度について

2017年3月の道交法改正以降、75歳以上の運転免許を有する方が免許証を更新する際に行われる(または、更新時期にかかわらず一定の違反行為があった場合も含まれる)認知機能検査で第1分類(認知症のおそれ)と判定された場合、臨時適正検査の受検または医師の診断書の提出が求められる事になりました。対象となった方がかかりつけ医に受診し、認知症の診断を受けた場合は、その結果も参考にしつつ公安委員会によって免許取り消しの判断を受ける可能性もあります。
当診療所では、認知症の診断を積極的に行っている医療機関である以上、このような診断書の作成依頼には積極的に応じていく姿勢ではおりますが、運転免許という生活全般に関わる大切な資格を取り扱うため、慎重に検査等を進めて参りたいと考えております。診察、認知機能等の心理テスト、画像検査を組み合わせ、ある程度のお時間を頂き総合的に判断致します。また、そのような依頼が一度に集中しないよう単位期間当たりの受託数は制限させて頂きます。
診療・各種検査の途中であっても、明らかに運転に危険が伴うと医師が判断した場合は、運転免許証の自主返納をお勧めする事もあります。ご家族も含めた皆様のご理解とご協力をお願い致します。